ジャンプラ読切『さんかく星の滅びの山』感想

作品名
さんかく星の滅びの山
作者
戸川春太郎
掲載媒体
ジャンプ+
公開年
2024/12/29
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個人的2024年ベスト読切 | 人類の行く末はいかに

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上の画像は本作のサムネイルです。

見ていただけるとわかると思いますが、漫画ではあまり見たことが無いような立体的な絵。

私が小学生の時に流行っていた"ほっぺちゃん"をどこか思わせるようなデザインです。

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そんな本作は作中のナレーションにもある通りとある星に慎ましく暮らす小さな生物の物語です。

その生物がまさにサムネのキャラクターをはじめとする生き物です。

そして彼らはとある"古代生物"の骨を食べて生きており、

その古代生物というのが、

そう

ningen

ニンゲンです。

作品公開当時このページを読んだ時の凄まじさたるや。

サムネのかわいらしいキャラクターからは想像できないリアルな人間の骨。

比喩ではなく本当に鳥肌が立ったのを覚えています。

今作は人類が滅んだ後の地球に暮らす生物とミソラという人型のロボットのお話です。

人類の後にこの星で生きている彼らのうち、サムネに描かれているトンガリというメガネをかけているキャラクターが主人公です。

トンガリはニンゲンに対して強い興味を持っており、人間が生きている時代を知っているミソラに色々と質問をします。

それに答える形でミソラはトンガリに伝えます。

『自身が博士と呼ばれる人に作られたこと』

『トンガリたちが食べている骨はその博士のものであること』

『そしてその弔いがしたいこと』

『博士は人類を病気から守る薬を作るためにミソラを作ったこと』

ミソラのこの話を受けてトンガリは

『じゃあ人間は病気のせいでみんな死んじゃったってこと?』

とミソラに尋ねます。

それに対してミソラがこう答えます。

トンガリとミソラ

『人間は自らの愚かさと貧しさのために滅びた』

私はこれを読んで、端的に言えばゾッとしました。

そうなんですよね。

終わらない戦争。そして新しく始まる戦争。

信頼関係なんて存在しないんだろうなと悲しくも思わざるを得ない国際情勢。

そんな不安定な平和の上に生きている現代の我々。

『第三次世界大戦でどのような兵器が使われるかはわからないが、第四次世界大戦では石と棍棒でしょう』

かのアインシュタインが言ったとか言ってないとかされるこの警句。

いつこの不安定な平和が崩れ去ってしまうのかは誰にも分かりませんが、

我々人類は天文学が予想する星の寿命よりもずっと早くこの星から姿を消すのでしょう。

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ミソラは先ほどのニンゲンの骨は博士の骨であり、それを弔う彼らなりの方法が知りたいとトンガリに尋ねます。

そこでミソラは博士と話した記憶に思いを馳せるのですが、

その中のセリフでとても印象に残るシーンがありました。

それは人間式の弔いに疑問を持ったミソラとの会話中での博士のセリフです。

『弔いは忘れるためにするのかもね』

これを聞いた時私は、

そうなのかもしれないなと深く考えさせられました。

個人的な話ではありますが、この5, 6年で祖父祖母が続けて亡くなりました。

先に亡くなった祖父の葬式では呼吸がままならないほど号泣したもんですが、
祖母が亡くなった時、私は海外で生活していたので葬式に出ることができなかったんです。

そのせいか、泣くこともなく、弔った感覚は今でもなく、
なぜか今でも祖母はまだしれっと生きてるんじゃないかとふと思うことがあります。

作中におけるトンガリ達と人間のように弔いの方法は文化により違えど、

それぞれの文化が積み上げてきたいくつもの手順や方式は、

相手を思う涙と共に忘れるための精一杯考えられてきた方法なのかなぁと感じました。

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自ら滅んでしまった作中の人類。

そしてそれが単なるフィクションではないように感じさせる現代。

いつ自分が死ぬかなんてなんて誰にも分からないですし、

いつ自分の親しい人が死ぬかなんてのも誰にも分からないことですが、

限られた時間を大切にし、そして限られた弔いの機会を大切にしなければならないなと、

そう感じさせてくれる作品でした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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