感想の前に...
先日悔やんでも悔やみきれないことがあったんです。
飲み会の場で好きなアニメや漫画の話になることあるじゃないですか?
そういう時に毎回私は待ってましたとばかりに
『え、ジャンプラって見てます??』
『いや僕まじでジャンプラ読み切りが大好きでぇ』
『あ、連載ならMADが一番好きですけど』
などと急に読切と大鳥先生の話をし出すのですが、
その時にごくごく稀に
『え、私も結構読切見てますよ』
と返事が来ることがレアですがたまに発生するんです。
私は表情に全てが出るタイプなのでその瞬間にニッコニコになるんですが、
まさに同様のことが先日発生したんです。
非常に嬉しく、その飲み会はその時点で神回確定だった訳ですが、
その時にその方が『最近のこの作品良かったですよね』
と言って見せてくれた作品が本記事の『吸わずメイト』です。
そしてここが本当に大失敗だったのですが、
そのときの私はまだこの作品をチェックしていなかったんです。
これは本当に大失態で、
読んでないせいでその話にのることもできないのはもちろん、
読切が好きであるが故にいずれ読むのでネタバレを聞きたく無いんですよ。
そのせいで『振った話題に乗ってくれたのに話を即座に切り上げる』という
マジの自分勝手ムーブをかましました。
普通の連載作と違って話題に上がることがレアな読切というジャンル。
こうして私はリアルの会話で読切を語ることができるという
またと無いチャンスをみすみす逃した訳です。
公開された直後にすぐ読んでおくべきだったと激しく後悔しました。。。
感想 | 『フラバ製造機系』読切
そんなこんなでしたがその後すぐに今作を読みました。
いやー非常に良い作品でしたね。
クラスに1人吸血鬼がいる、という設定だけ見れば
ルリドラゴンに似ていますがテイストは全然違う感じでした。
吸血鬼の女の子白石さんは1日に数人のクラスメイトの血を吸わせてもらっているのですが、
主人公である赤木はクラスの中で何故か自分だけが吸われないことを疑問に思います。
彼女に血を吸われたい赤木はそうして一つの理由にたどり着きます。

『陰キャすぎるからだ』と。
そしてどうしても血を吸われたいと考えたのちに
赤木は陰キャを脱却し陽キャになるため行動を開始します。
そうしてまずは髪にワックスをつけ学校に行く赤木は
クラスの女子と楽しそうに話している吸血鬼の白石さんに話しかけます。

いやーーーーーーー
男だぞ赤木。
いや、
漢だぞ。
わかる。
本当にわかる、いきなり自分を変えるって緊張するよなぁぁあ。
私も覚えていますよ、初めて自分でワックスをつけた日のこと。
中学2年の時です。
当時通っていた公立中学では髪を染めるのはもちろん、
髪をセットすることも禁止されていたんですよね。
それでもオラオラ系の同級生はワックスをつけたりするわけです。
当時の私の世代ではGatsby のピンクが流行っていました。
今でこそ髪の毛のセットや身だしなみにかなり気をつける方ですが、
当時の私はそんな自信もないため髪のセットなどをしたことなかったんです。
しかし見つけるんです。
自宅の洗面所にあった父親が使っているGatsbyのピンクを。
中学2年の14歳の少年である私。
犯罪でもしているかの気持ちで心臓を鳴らしながら父親のワックスの蓋を開け、
触ったこともない変な匂いの薄白いクリームを手に取り、
誰かに見られているんじゃないか、
もしかしたら撮影とかされてるんじゃないか、
などという過剰な気持ちを持ちながら
適量なんて気にすることもできず何もわからず髪につけました。
そうしてドキドキしながら友人との待ち合わせに行くわけです。
私がついたときには集合場所には既に何人か居ましたが、
心臓は未だうるさいながらも何も言われずほっとしたものです。
しかし遊んでいる最中にS山が『そういえばお前なんで髪濡れてんの?ワックス?』と突然言い出し、
それを皮切りに『いや俺も思ってた!!なんか触れたらダメなのかと思ってた笑』
などと小馬鹿にするようにO川に言われ、そこから皆に晒されたのを覚えています。
当時の私はそれが恥ずかしくてたまらなく、
岩に張り付く苔よりも薄いちっぽけなプライドから出た
『寝癖が治らなくてさぁ』
という言葉を
14年経った今でも覚えております。
.
..
...
ぐわぁぁっぁぁぁああああああああああ!!!
殺してくれぇェェェェェええええええ!!
ハラキリハラキリ!!
ハラキルハラキル!!
カイシャクカイシャク!!!
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取り乱しましたが、そうなんですよねぇ。
周りから思われている自分のキャラから外れた行動を起こすって本当に辛いんですよね。
特に若いうち、
いや正確に言えば高校生くらいまでかな。
周りからどう見られているのかって過剰に気になるんですよね。
大人になった今では何ともないことであっても当時からしたら大問題であったりするわけです。
それを思い出させてくれるシーン、
いや違うかな、
フラバさせてくれるシーンでした。
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そこで主人公は吸血鬼のクラスメイト白石さんを含めてカラオケに行くんです。
(私にとっての人生初めてのカラオケは今生忘れることができない黒き記憶になっているのですがまた取り乱す事になるのでこれは置いときましょう。)
そうしてカラオケの最中に赤木は

『血を吸われたいがために仲良くなろうとしてたのか』
と白石さんに幻滅されてしまいます。
そして翌日以降学校であってもそっけない態度を取られてしまいます。
そりゃあ白石さんからしたらショックっだったでしょう。
仲良くなろうとしてきた人が自分と関係を深めたいではなく、
吸血鬼という自分の"ガワ"だけを求めていたと分かったわけです。
白石さんにとって赤木は"自分だけが人間ではなく吸血鬼であるということを忘れさせてくれる存在"
として大事に思っていたためなおさらだったでしょう。
年収、肩書き、容姿。
人付き合いの中でこういったガワだけを求められていることが露呈するのは本当にショックです。
私の話で恐縮ですが、私は長期間にわたってコツコツやったことが少しずつ報われたおかげで、
地元の同級生とは少し違ったキャリアを進んでおります。
そのせいでですね、私レベルでもいるんです。
それを聞きつけて連絡とってくる人たちが。
そりゃあ久しぶりに連絡が来て嬉しくなって会うわけですが、
話している最中ハイスペという言葉がいくつか発せられるわけです。
悪気はないのだと理解しますが、そんな履歴書を見ればすぐにわかるような肩書きではなく、
そうやってハイスペと呼ぶまでの過程を評価してほしいとどこか思ってしまいます。
そして普通ではお目にかかれないレベルの真のハイスペ達に揉まれながら苦しんでいる話を聞いてほしい。
高校の時の同級生なんかにはこういったことを勝手ながら期待してしまいます。
主人公の赤木もね、同級生に唯一吸血鬼がいたらそりゃあ特別扱いをしますよ。
作中における吸血鬼みたいなガワの情報ってレアであればあるほど目立つんですよね。
だからガワだけを評価する人も自然と出てくる。
だからこそガワだけじゃない関係性でいてくれる友人は大事にしたいなと感じます。
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自身が白石さんを傷つけてしまったことを自覚し『謝らないと』と考える赤木。
『この授業が終わったら謝ろう。』
『このHRが終わったら謝ろう。』
とどんどん謝罪することを先延ばしにしていき、タイミングを自ら逃す赤木。
いやぁぁぁああああ、
謝るって本当に勇気いりますよね。
後で謝ろうってどんどん先になっていきますよね。
私も謝るタイミングを見逃してしまったが故に拗れた関係、
お互いに謝ることができずに消滅してしまった関係に心当たりがあります。
辛いですねぇ。。。
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これが終わったら謝ろう、いやこれが終わったらにしよう。
そうしているうちに帰りの時間になるんですが、
『今日謝らないとダメな気がする』
と決意し惨めながらも謝罪をします。

そして『陰キャだからみんなより下にいる気がして』
と正直に謝罪をするんですが、
お前かっこいいぞ、赤木。
そして、わかる。
これは本当にわかる。
中学生くらいの年代って自分と他の人の違いをすごく意識するんですよね。
そうして目には見えない学内のヒエラルキーみたいなものが勝手に出来上がる。
そうなると"自分がやってもいいと周りに思われている行動"というのがある程度わかるようになる。
そしてそこからはみ出た行動をすることは良くないんだ、とメンタルに縛りがかかる。
だからこそワックスをつけたり、気になる子と距離を縮めようと実際に行動を起こした赤木は素敵だと思いました。
配慮が足りず白石さんを傷つけてしまったものの、
自分の非を素直に認めて謝罪をした主人公赤木。
かっこいいぞ、お前。
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こういった思春期特有のモヤモヤって本当にありますよね。
歳を重ねて大人になったり、何かしらの成功体験を運よく得ることができたりすると
こういった周りの目ってのはある程度気にならなくなっていくものではありますが。
自分の殻をやぶること。
恥を感じながらも背伸びしながらも、
自分をなんとか変えようと行動した主人公。
そして最後にちゃんと惨めながらもちゃんと謝罪した主人公。
君の人生は確実に良い方向に変化しているよ、と思わせてくれる話でした。
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